脱Notesの失敗事例!高額な開発費用や業務停滞などを紹介

2024年6月にIBMが提供していたNotes/DominoのV9とV10のサポートが終了しました。2025年6月にはNotes/DominoのV11のサポートが終了する予定です。そのため、他製品に移行すべきか検討中の方もいるのではないでしょうか?

Notes/Dominoを取り扱っていないベンダーが脱Notesを推奨しており、Notes/Dominoについて調べないまま他製品に移行した結果、失敗してしまうこともあるため、必ず入念に調べた上でご検討ください。

今回はノーツコンソーシアムの団体に参加している弊社がよく聞く、脱Notesの失敗事例をご紹介します。少しでも危険だと感じたら、Notes/Dominoに詳しいベンダーへのお問い合わせをおすすめします。

脱Notesの失敗事例

Notes/Dominoについて調べないまま他製品に移行した結果、失敗してしまうことがあります。どのような失敗なのかご紹介します。

カスタムアプリケーションが再現できなかった

ある企業は、Notes/Dominoは時代遅れだと噂を聞き、長年使用していたNotes/Domino(旧Lotus Notes)からクラウド型のグループウェアに移行することに決めました。

しかし、独自のワークフローやアプリが多数あり、全ての仕様について把握されていませんでした。その結果、新しいシステムで一部のワークフローやアプリが再現できず業務が滞りました。

特にNotesでのリッチテキストフィールドを利用していたケースなどは移行先でのデータの再現性が著しく落ちることがあります。

このような失敗事例は多いため、独自のワークフローやアプリが多数ある場合は、Notes/Dominoに関して深い知見を持つベンダーへの相談が必要不可欠です。

UI/UXが変更されてユーザー教育が大変になった

ある企業は、プロモーションされているトレンドのグループウェア製品を導入したいと思い、Notes/Domino(旧Lotus Notes)から他社のグループウェアに移行することに決めました。

トレンドのグループウェア製品を導入すれば業務効率化が図れると考えていましたが、現場の社員から「どのように操作すればよいかわからない」「操作が難しい」という声が多く上がり、定着にも時間がかかりました。

データ移行に不備が生じた

ある企業は、Notes/Domino(旧Lotus Notes)から他社のグループウェアに移行することに決めました。

しかし、Notes/Dominoに保存されていたデータのフォーマットが新システムに合わず、重要なデータが欠落し、業務上のトラブルが発生してしまいました。

業務アプリを開発しづらくなった

Notes/Domino(旧Lotus Notes)で業務アプリを開発していましたが、サポート切れを理由に、他社のグループウェアに移行することに決めました。

さまざまな製品がある中でも、ローコード/ノーコードでアプリ開発できるものを選びましたが、Notes/Dominoのように柔軟な開発はできませんでした。

結果として、従業員が「移行前のNotesを使い続けたい」と主張し、一部の部署でシステムの二重運用が発生しました。

コストとスケジュールの見積もりミスが発生した

Notes/Domino(旧Lotus Notes)からクラウド型のグループウェアに移行するプロジェクトは当初、半年以内に完了すると見積もられていました。

しかし、独自のワークフローやアプリの仕様を全て把握しておらず、データ移行の不備が起きて、1年半以上の遅延と予算超過を招きました。

結果的に、移行期間中のライセンス費用や追加開発費用が当初の見積もりを大きく上回ることになり、大きな損失をもたらしました。

失敗事例から学ぶ!脱Notes方法

脱Notes/Dominoのプロジェクトは、多くの企業にとって大きな挑戦です。移行プロセスで起こりがちな失敗を事前に回避し、スムーズな移行を実現するためのコツをご紹介します!

Notes/Dominoの最新情報を収集する

Notes/Dominoは、提供会社がLotus Development社→IBM社→HCL Technologies社に移行しています。

HCL Technologies社に移行した後の情報は、それ以前に比べて多く出回っていませんが、公式ドキュメントやユーザーコミュニティ、専門家によるブログやウェビナーなどを活用することで、情報収集することが可能です。

弊社HPにHCL Technologies社についての記事がありますのでご参考ください。

<参考リンク>HCLテクノロジーズとは?Notes/Domino提供会社の魅力を解説

Notes/Domino 提供会社のHCL Technologies社を調べることで、

  • Notes/Dominoの継続利用を検討する
  • 他製品に移行する

に関して、より適切な判断ができるようになります。

Notes/Dominoに詳しいベンダーに相談する

次に、Notes/Dominoに詳しいベンダーに相談をしましょう。Notes/Dominoに詳しいベンダーに相談すれば、システム移行する際に、どのような箇所がボトルネックになるか教えてもらえます。

Notes/Dominoに移行すべきか、他製品に移行すべきか、具体的なアドバイスが得られるでしょう。初期段階で巻き込むことで、見積もりやスケジュールの精度が向上し、リスク管理の精度も高まります。

プロジェクトの成功率を向上させる鍵となるため、必ずNotes/Dominoに詳しいベンダーに相談しましょう。

業務プロセスやデータを棚卸ししておく

Notes/Dominoを移行する際は、業務プロセスやデータを棚卸ししておくことが大切です。どの業務プロセスがNotes/Dominoに依存しているのかを特定しておくことが大切です。

データ移行では整合性を確保することが重要です。データクレンジングやフォーマットの統一を事前に行い、移行後に問題が発生しないよう準備を徹底しましょう。このような準備もNotes/Dominoに詳しいベンダーと一緒に行うと安心です。

新しいシステムの教育を徹底する

新しいシステムに移行する場合は、従業員が使いこなせるように教育する必要があります。ハンズオン形式の研修、オンラインチュートリアル、FAQの作成などを準備しておきましょう。

教育内容は業務に即したものにする必要があります。単にシステムの操作方法を説明するだけでなく、新システムによって業務がどのように変わるのか、具体的に示すことで、社員の理解とモチベーションを高めることができます。

脱Notesに関するフェイクニュースに注意!

IBMが提供していたNotes/Dominoのサポートが終了します。そのため、(1)Notes/Dominoの継続利用を検討する(2)他製品に移行することを考えなければなりません。

これをビジネス機会と捉えてNotes/Dominoは時代遅れだと煽る業者が存在しているため注意してください。例えば、次のようなフェイクニュースが流れています。

クラウドやモバイルアプリに非対応で時代遅れだ
→Notes/Dominoはクラウド対応もできますし、モバイルアプリにも対応できます。

IBM社がHCL社に売却してオワコンだ
→HCL社は兆を超える売り上げを誇るインドのIT企業です。

低価格のアプリ開発ツールの方がよい
→申請・承認など業務次第ですが、低価格のアプリ開発ツールは制約を受けやすく複雑なアプリは開発しにくいです。

このような脱Notesに関するフェイクニュースが流れているため、Notes/Dominoに詳しいベンダーに相談してください。

まとめ

Notes/Dominoについて調べないまま他製品に移行した結果、次のような失敗をしてしまうことがあります。

  • カスタムアプリケーションが再現できなかった
  • データ移行に不備が生じた
  • UI/UXが変更されてユーザー教育が大変になった
  • 複雑な業務アプリが開発しにくくなった
  • コストとスケジュールの見積もりミスが発生した(追加費用が発生)

以上のことから、脱Notesを検討されている場合、まずはNotes/Dominoに詳しいベンダーに相談してから改めて移行について検討してみてください。