IBM Domino で動くアプリ開発プラットフォーム「Aveedo」紹介ページが出来ました

「Aveedo」の専用ページが出来ました

IBM Connect Japan 2016が後一週間後に迫ってまいりました。そこで遅ればせながら、IBM Connect Japanで弊社がご紹介する商品「Aveedo」の専用ページがようやく出来上がりました。

https://www.ktrick.com/aveedo/

IBM Domino ウェブサーバーで動くアプリ開発プラットフォーム

「Aveedo」は開発プラットフォームとしてIBM Domino Designer要らずでWEBアプリを開発出来る製品となっております。 新規のWEBアプリ作成はもちろん、既存のNSFアプリケーションをXPAGESで動くように自動でマイグレーションするツールを備えております。

もしWEB化、モバイル化が必要な既存のNSFアプリケーションを多数抱えているお客様は7/27日に東京 ソラシティ カンファレンスセンターで行われるIBM Connect Japan 2016の弊社セッション、展示ブースに是非お越しください。

弊社セッション詳細情報: https://www.ktrick.com/ibm-connect-2016-japan-introduce-aveedo/

既に弊社セッションも100人を超える参加者からの申し込みを頂いております。

まだ多少の席は残っているようですので「Aveedo」にご興味頂けた方で登録がまだの方は満員になる前に是非お申込みください。

IBM Connect Japan イベントポータルサイト: http://ibmevent.jp/event/connect2016/


IBM-Connect-2016

IBM Connect 2016 XPAGES 最新動向 Part 3 - XPAGESトラブルシューティング

前回2回に渡りIBM Championがスピーカーを務めるセッションにフォーカスを当てたレポートブログを紹介してきました。

今回はPaul Withers氏の「"Marty, You're Just Not Thinking Fourth Dimensionally": Troubleshooting XPages」のセッションに参加した内容を振り返りたいと思います。
このセッションではStackoverflowで寄せられた質問などをもとにXPAGESでの間違ったアプローチの紹介やトラブルシューティングの方法などノウハウ情報を満載の内容となっていました。

また、このセッションではXPAGESの基礎知識を持っていることが前提になっており「XPAGESを既に使っている人は挙手してください」と質問すると会場のほぼすべての人が手を挙げていたのも印象的でした。 そして前列に座ったIBM Champion達が突っ込みを入れながらさらに話がディープに進んで行くのもIBM Connectのセッションならではの光景です。

documentidプロパティでは常に式言語(EL)を使うこと

このセッション内の数あるトピックの中でも全てのXPAGES開発者が知っておくべきノウハウであり、知らずにやってしまいがちな落とし穴であると思ったのがこの「documentidプロパティなどでは常に式言語(EL)を使う」ということでしたので、私自身でテストしたサンプルコードを交えてこのトピックを掘り下げて紹介したいと思います。

※ちなみに式言語(EL)とは${...}もしくは#{...}で始まるコードの事で#{javascript:...}ではないことと区別しています。

Stackoverflowのこちらのリンク「Why does this code write out TWO documents?」でPaul氏が自ら回答している内容にも絡んでいるのですが、Paul氏が指摘するには、式言語(EL)を使わなければページロード時にdocumentidのプロパティ計算ロジックが4回も呼ばれてしまうと指摘しています。

まずはこちらに用意したサンプルコードを見てください。

Domino文書データソースを定義する箇所でdocumentIdプロパティに対して値の計算をしています。
UNIDを引っ張ってきたいのでViewを取得して文書を取得してそのUNIDを返すというロジックになります。

如何でしょうか? 皆さんもこれに似たロジックを書いた経験はないでしょうか?
このサンプルには1つの致命的な問題と2つの推奨されないコードが含まれています。

1つ目の致命的な問題とはbeforePageLoadにてviewScopeの変数をセットしデータソース内でそのviewScope変数を利用しているという箇所です。
これはデータソースのほうが先にプロセスが走りその後にbeforePageLoadのプロセスが走るため5行目のviewScope.selectedPageが意図したとおりに設定されずサーバーエラーを起こしてしまいます。

そこでひとまず問題を解決するために以下のようにコードを書き換えます。

beforePageLoadでのviewScopeの利用をやめ、8行目にビューの値をハードコードで渡してやりました。これでとりあえずサーバーエラーは回避され、見かけ上は意図したとおりにブラウザでこのコードを表示されるでしょう。

推奨されないコード その1

しかし、このコードにはまだ推奨されないコードが含まれており、試しにブラウザでこのコードを表示してみるとAdministratorのコンソールに以下のような出力があることが確認できます。

HTTP JVM: doc found
HTTP JVM: doc found
HTTP JVM: doc found
HTTP JVM: doc found

このように、documentIdの値の計算の処理が4回も呼び出されています。これこそが今回Paul氏が指摘する問題の箇所になります。
Paul氏によると4回も呼び出される理由は以下のようになります。

式言語(EL) 【${...}もしくは#{...}】を使わなかった場合、documentIdのようなプロパティを

  • Panel内に追加した場合、beforePageLoadの後に2回呼び出される
  • XPage内に追加した場合、beforePageLoadの前に2回呼び出される。(このときbeforePageLoadで追加したscope変数は使えない)
  • 常にrender response時に2回呼び出される

ということで、上記サンプルの場合4回呼び出されるということになります。
そこで回避策として式言語(EL)を利用することでこの問題は回避されます。

式言語(EL)の「動的に計算」を使用
式言語(EL)の「動的に計算」を使用

以下に1回のみ呼び出される式言語(EL)を利用したサンプルコードを追加します。

このコードをadministratorコンソールで確認すると

HTTP JVM: doc found

のように1回しか呼び出されていないことが確認できます。

また、式言語(EL)で「動的に計算」を利用しているため、beforePageLoadで設定されたscope変数が利用できていることにも注目してください。
documentId="#{viewScope.docId}"
の箇所が
documentId="#{javascript:viewScope.docId}"
では意図した動作になりません。

推奨されないコード その2

Domino文書のデータソースを定義する際にignoreRequestParams="true"を明示的に定義してやらないとURLパラメータのdocumentIdで指定された値が常に優先されるため、このようなロジックを書くときはignoreRequestParams="true"を明示的に定義してやるべきです。

こんな事例が沢山

今回はこのブログを書くにあたってPaul氏の指摘を深堀して実証実験を行ってみましたが、実際にPaul氏のセッションではこれに似た内容がいくつもスライドとデモで紹介され、どれもがものすごいスピードで紹介されるためはっきり言ってついていくのがやっとな状態のかなりレベルの高い内容となっていました。

1年を通してStackoverflowでいくつもの質問に対して回答をしているPaul氏ならではのノウハウの詰まったセッションであっただけに、今回のセッションに参加できただけでもIBM Connectに来た甲斐があったと思える、そんなセッションでした。

なお、こちらのセッションのスライドは既に公開されており、こちらより確認できます。
http://www.idonotes.com/IdoNotes/IdoConnect2013.nsf/dx/1279a-marty-youre-just-not-thinking-fourth-dimensionally-troubleshooting-xpages-2016.htm
Chris Millerさんのサイトでその他のセッションを含めLotusphere 2013からのセッションがタイトル別にまとめられています。既に2016年のセッションもいくつか登録されているようなので確認してみてください。


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IBM Connect 2016 XPAGES 最新動向 Part 2 - 外部連携

前回のIBM Connect 2016レポートブログでIBM Championがスピーカーを務めるセッションが熱いと題し、Single Page ApplicationをXPAGESで作るセッションやモダンなXPAGESアプリケーションを作るためのライブラリ群などの紹介をしました。

XPages,Javaを使って外部システムと連携

今回はIBM ChampionであるJulian Robichaux氏とKathy Brown氏による「AD-1387 Outside The Box: Integrating with Non-Domino Apps using XPages and Java」のセッションに参加した内容を振り返ってみたいと思います。

AD-1387 Outside The Box: Integrating with Non-Domino Apps using XPages and Java

XPAGESとJavaを使ったDomino以外のアプリケーション連携ということでCSV、XML、JSONのデータを様々な手法で連携する方法を紹介していました。また後半ではIBM Social SDKやOAuthやQUICKBASEを使った連携、RDB連携にも触れまさに外部連携を網羅する内容になっていました。

CSV操作 - OpenCSV

手始めにCSVの扱い方から説明が始まりました。今更CSVの話なんて聞きたところでなにも面白くないだろうと思い、このセッションに参加したことを少し不安に思っていたところ、そこはやっぱりIBM Champion達。XPAGESでCSVに限らずメタデータを扱うときはJava Bean(Modelクラス of MVC)を作りましょう、とCSVは単なる滑り出しのためのトピックであり、実際はどんどんとディープな内容で進んで行きました。

Java Beanのサンプルは以下のようになります。

そして、CSVの読み込み自体はOpenCSVというライブラリを使うという内容でした。ここで注意点は最新版のVersion 3.6はJava 7+となっており、依存関係の問題からJava 6を使っているDomino 9.0.2 FP4ではVersion 2.3を使うことになります。

こちらにOpenCSVを使ったサンプルコードを載せておきます。

XMLをパースするためのJAXB

こちらのソリューションは既にJava 6+に含まれているためインストールの必要はありません。利用の仕方はJava Beanの記述にアノテーションを利用しどのフィールドがXMLのどのエレメントにマッピングされるかを明示してやります。

サンプルコードは以下のようになります。

JSONのパース

JSONのパースにはXPAGESライブラリにあるcom.ibm.commons.util.io.json.JsonParserを使うことが出来ます。この時点でJavaカスタムオブジェクト(=上記で紹介したようなJava Bean)ではなくJava Maps、ListにJSONデータがパースされるためJava Beanを生成するには別途アンマーシャル(JSONからJava Beanを生成するプロセス)が必要ですが、ここではGSONやFlexJSONなどに触れつつDominoで利用する場合にセキュリティの問題が起こることになるため独自でアンマーシャルを記述する方法を紹介していました。

アンマーシャルのロジック自体はありませんが、JSONをパースする呼び出し部分は以下のようになります。

JAXBを使ったJSONのアンマーシャルもネットではいくつもサンプルコードが公開されていますので、それと合わせてXPAGES用の独自アンマーシャルコードを作ってみるのがいいと思います。

XAGENT, REST, SocialSDKと内容がてんこ盛り

CSV、XML、JSONのパースとJava Beanによるデータ格納を説明し終えた後は、実際のデータ取得方法としてXAGENTでInputStreamを使い外部システムへのアクセスの説明があり、取得後のObjectをXPAGESへ出力する説明があり、次にRESTでのアクセス方法からSocialSDKを使った連携ではOAuthに触れ、最後にQuickbaseと呼ばれるサービスを使った連携方法まで、まさにこれさえ聞けばXPAGESのシステム連携は基礎はしっかりと抑えられる内容になっていました。

このセッションの内容を全てブログに書き起こすとものすごいボリュームになってしまうため後半の説明は割愛しますが、もし興味があれば「AD-1387 Outside The Box: Integrating with Non-Domino Apps using XPages and Java」のセッション資料がいずれ公開されると思いますので時間をおいて確認してみてください。