IBM Domino Application on Bluemix について、ConnectED 2015にて

今回、もっとも興味があるセッションであった「IBM Domino Application on bluemix」セッションに参加してきました。

xpages on bluemix

通常、Bluemixで開発を行う場合、EclipseにCloudFoundryのプラグインをインストールしたり、DevOps サービスなどの開発管理システムと連携する形で行うため、開発環境の設定段階で以外と敷居が高くなってしまいます。
この点、IBM Domino Application on bluemixではどのように提供されるのかが自分の持つ関心の一つでした。

予想として、おそらくDesigner内のJavaパースペクティブ等を使ってデプロイをすることになるのかと考えていたのですが、今回のセッションで、その予想はいい意味で裏切ってくれました。

IBM Domino Designer上で専用のBluemixへのデプロイツールを使い直接デプロイを行えるようになります。

bluemix deployment tool
また、IBM Domino Designerの設定画面にBluemixのアカウントID、Passwordを入力する項目が用意されるため、デプロイ時に毎回ログイン情報を提供する必要がなくなります。

 

もう一つの関心として、オンプレミスのDominoとどのように連携できるのか、ということです。
Server IDが提供されたり、サーバー間の相互認証などを行ったり出来るのか?

この点に関して、セッションを行っていた開発者に”Meet the developer”にて直接質問をしてみたところ以下のような回答を聞くことが出来ました。

  • Bluemix上のDominoは特別に仕立て上げられたサーバーのためServer IDを開発者ごとに提供するという予定はない。
  • サーバー間の相互認証を行いオンプレミスのDominoとの連携を行えるようにすることはプランとしてある。

どちらも出来ないのかもしれないと想像していたため、相互認証等でオンプレミスDominoとの連携が行える可能性について聞き出せたのは大きな収穫でした。
ただ、”IBM Domino Application on bluemix”自体がまだ始まったばかりのため、今の時点ではあくまでプランとして挙がっているということみたいです。

IBM ConnectedED で得た情報まとめ

domino-bluemix-model

その他、”IBM Domino Application on bluemix”に関して得た情報として纏めると以下のような感じです。

  • XPages Bluemixランタイム(ビルドパック)が用意される。lightweight Domino Web Containerが用意されていてXPagesが実行されるイメージ。
  • ローカルレプリカはない。 サーバーへ同期をとるのではなく、専用のBluemixへのデプロイツール(Addonのようなもので提供?)から直接デプロイを行う。
  • Designerの設定画面にBluemixのアカウントID、Passwordを入力する項目が用意される。それによりデプロイ時に毎回ログイン情報を提供する必要がなくなる。
  • BluemixでXPagesのインスタンスを作成することで、NSFファイルをダウンロードすることができ、そのNSFを使い開発を進める。
  • BluemixでXPagesのインスタンスを作成することで、開発用のUser IDも同時に作成される
  • 複数の開発者で開発も可能
  • オンプレミスのサーバーとの相互認証をさせる等で連携をプランしている。
  • IBM Sametimes on bluemixはまだ開発に至っていないが、IBM内でサービスとして提供したいという話はある。
  • IBM Connections Cloud との連携として IBM Connections Cloud FileがBluemixで提供されるため、その連携は可能になる(予定)。

「IBM Domino Application on bluemix AD201」 デモ

「IBM Domino Application on bluemix AD201」セッションでは以下のようなデモが行われました。

  • XPagesとRDBMSサービスを使いNotesデータベース以外のデータソースと連携。
  • XPagesで作ったWebアプリケーションからWatsonと連携。
  • Bluemix上のインスタンスを2つにしたロードバランスにも対応出来ていることをデモ。(例)片方のインスタンスを落として、もう一つのインスタンスでで文書を更新、その後にインスタンスを立ち上げると、更新された文章が同期されていることが確認できる。

ロードマップ

最後に、「IBM Domino Application on bluemix」の今後のロードマップが発表されました。
2015年の下半期でようやくベータになることから、まだまだ開発が始まったばかりのサービスであることが伺えます。

domino-xpages-bluemix-loadmap